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今年度の受験のご報告(その1)

今年度の受験のご報告(その1)

 私の春は、ほとんど毎年ほろ苦い春になります。小さな塾で、受験生は毎年10名足らずですが、それでも進路が決まらなかった生徒や、志望校に合格しなかった生徒がいるからです。
 もっとも以前も書いたことがあるかも知れませんが、私は志望校に行けずに再挑戦することも、志望校以外の学校に進学することも、すべての受験先が不合格になることも、その結果には何らかの意味があると考えています。以前ブログで紹介したSさんは、志望校の大阪市立大学に不合格となり、一浪して再挑戦するもまた不合格となり、同志社大学に入学しましたが、大学在学中から専門学校に通って公務員試験の勉強をして大阪国税局に採用されました。私は、もし彼がすんなり第一志望の大学に入っていたら、遊びほうける(それは学生時代の私です)ことはなかったにしても、国税局には入ることはなかったのではないかと思います。(ただし、ここでも国税局に就職したことが彼にとって良かったかどうかはまだ結論は出せませんが、少なくともそうそう簡単に就職できるところではないことは確かです。)そう考えると、第一志望に合格できなかったことは残念ではありますが、その結果はけっしてマイナスとも言い切れないように思います。
 さて、今年度の入試ですが、まず現役の高校生三人の詳細からお知らせいたします。三人のうち二人は来年再挑戦することになりました。もう一人のKさんは11月に当教室に来て、センター試験の国語と個別学力試験の小論文の指導を受けて兵庫教育大学に合格しました。喜ばしいことなのですが、本音を申し上げると、実はこういう短期間の指導で合格した生徒のことはあまり書きたくないのです。4年前に高3の5月から当教室に入って和歌山大学の経済学部に合格したMさんという生徒がいたのですが、その生徒のこともこれまでブログに書くのをためらって、結局今日まで書かずにいました。それは、国語の試験というものはちょっとコツをつかめば、それで解けるようになるというようなものではなく、こつこつと力を培っていく必要があるので、できる限り早く教室に通ってもらい、できる限り長く学んでもらいたいからです。もっとも長く学べば合格を確約できるわけではないのが辛いところで、今年再挑戦することになった二人は2年あまり教室に通ってくれていましたし、中1から高3まで6年間通って、センター試験で5割程度の点数だった生徒もいます。しかし、指導する立場から言えば、指導する期間が短ければ短いほど教えられることは限られます。MさんやKさんは、国語に関してはセンター試験本番でもっとも高い点数を出して合格しましたが、教室で解いてもらった過去問題の点数はけっして芳しいものではありませんでした。このように本番でもっとも高い点数が出せる生徒はそう多くはありません。むしろ普段の力が出せない生徒の方が多いと考えるべきでしょう。だから、こういう短期間での指導の合格例を書いて、「短期間でも合格出来る」という誤解を与えると困るので、MさんやKさんの頑張りは称えたいのですが、あまり大々的に伝えたくはないのです。
 すでに申し上げたとおり、私は不合格には不合格なりの意味があると考えていますから、受験に関しては「成功」「失敗」ということばを使いたくないのですが、あえて「成功」「失敗」ということばを使うとすれば、保護者の方や受験生の皆さんの参考になるのは成功例よりも失敗例だと思います。誰かのラッキーな合格パターンをわが身に当てはめて、「自分も何とかなるだろう」などと楽観的なことを考えるよりも、不合格になった人の体験を教訓とすべきでしょう。ただ、どこの塾でも予備校でも「不合格体験記」などというものは公開できませんから、それは口伝えでしか知ることのできないことではありますが・・・。
 ともあれ、Kさん、合格おめでとう。そして再挑戦の二人にはよき回り道となりますように・・・。
 

2020-03-23 11:14:36

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