開塾以来、当教室は1ヶ月(3~4回)無料で授業を受講していただいてから入会するというシステムをとってきました。これは、当教室の授業を体験し、お子さんも保護者の方も、教室の雰囲気や講師、学習内容などを知ったうえで学んでほしいと思ったからです。もちろん「1ヶ月無料」という謳い文句で、少しでも多くの生徒に来てもらいたいという意図もあることは否定しませんが、いざ入会したものの子どもには指導内容が合っていないようだが、授業料を払ってしまったから辞めるのはもったいないというようなミスマッチを避けたいというのが一番の理由です。ですから、体験授業といっても、「体験のための体験」ではなく、実際のクラスの中に入ってもらって当教室の生徒たちと一緒に、全く同じ内容の授業を受けてもらいます。
実際のところ教室に来てくださるのは、無料体験を受講する前に充分な検討をされてから扉をたたいてくださったご家庭が多く、無料体験学習を受講したお子さんの9割弱は、入会をして学習を続けてくれますが、ごくわずかですが、無料体験受講後に、続けるとも体験だけにするとも、まったく何の連絡もないご家庭や、来月からお願いしますとご連絡をいただいて、座席も組み替え、教材も用意したのに当日になって、やっぱりやめときますというご家庭があります。
無料体験授業というのは、いわば「広告宣伝」ですから、そこにかけた費用や労力が無駄になってしまうことは承知のうえです。費用といったって、プリント代+アルファですから、微々たるものと言えば、微々たるものです。ただ、この「無料」ということばが、プラスではなくマイナスに作用しているのではないかと昨今考えるようになりました。
まず私の方には、授業料をいただいている生徒と区別するつもりはないものの、どこか「まだ授業料はもらっていないのだから・・・」という気持ちや、「入会してもらわないことには費用と労力が無駄になる」という気持ちが、若干なりとも授業内容に影響を与えているかも知れません。また、無料体験のあと、きちんと断りのご連絡をいただけば、(落胆はするものの)そうか仕方ないと気持ちの切り替えも出来ますが、何の連絡もなければ正直よい気分ではありません。それに授業の前日までに連絡をくだされば、こちらも教材を用意しなくても済むのに(また、新しく入る生徒のことを考慮して、授業プランを変えたりしなくても済むのに)、当日の授業の直前になって連絡が入ったり連絡がなかったりすると、プリントも無駄になるし、授業プランそのものをまた変更しなければならないといったことも起こります。
一方、ご家庭の方は、授業を受けるお子さんも保護者の方も、たとえ金額が「¥0」であっても、ご家庭も塾も、「時間」という貴重なものを費やしているということをわすれてしまいがちだということがあると思います。また、「無料」ということばで、逆に体験学習を敬遠したご家庭もあったかも知れません。体験学習だけで済ませようと思っても、その後しつこく勧誘されるのではないかなど思って、受講に二の足を踏んだ保護者の方もいらっしゃったかも知れないと思います。ご家庭からすると、体験の授業料を払うことで、体験だけで断る時に気を遣わずに済むという点もあるかも知れません。(もしかしたら、体験後連絡なかったご家庭の中には、断りの電話がかけづらかった方もいらっしゃったかも知れません)
「ただほど高いものはない」ということばもあります。有料にはいたしますが、お金を払う価値のある体験授業をさせていただきますので、なにとぞご理解をたまわりますよう・・・・・・。
2021-04-27 20:33:41
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