2月22日のブログで、試験には読解スピードが必要だということを申し上げました。今回はその読解スピードをあげるための訓練や工夫についてです。
第一に眼球が速く動かない限り、文字を速く追いかけることは出来ません。当教室では眼球を動かす眼球運動を毎回授業のはじめに行っています。やり方はシンプルで、両手の人差し指を20~30㎝ぐらいの間隔にして指先(爪)を左・右というふうに往復で見ます。左右が終わったら上下、上下が終わったら前後と目を動かします。当教室では各6秒間これを行っています。
第二に文字をとらえる視る力の開発です。これには「ビジョントレーニング講座」でいただいた教材を使用しています。①ランダムに並んだ30までの数字を順番にチェックする②マス目の中に配置された同じ文字を線で結ぶ③左右の文字列を比べて違っていたらチェックをつける、などといった教材があります。例えばランダムに並んだ30までの数字を順番にチェックするというトレーニングを小学1年生がやると、たいてい2分以上遅い子だと3分間かかる場合もあります。それが小学校高学年くらいになると1分間以内、ずっと続けている生徒で中高生ぐらいになると30秒ほどですべてチェックを終える子もいます。これらから考えると、目で文字をとらえるのにも一定のスキルがあって、それは年齢が上がっていくにつれて発達、または訓練によって発達するということが言えそうです。
第三に、文章にマークをつける(○で囲む・線を引く)、また予測を働かせながら読むことによって、読解スピードがあげられます。例えば、「つまり」や「すなわち」は説明したいことを端的に言い表すときに使う接続詞ですから、このことばのあとに文章の主旨となるような一節が出てくる可能性が高いです。一方「たとえば」は例示の接続詞ですから、伝えたいことをくわしく説明するときに使われます。ということは、このことばのあとはあくまで説明であって、主旨ではないということになります。「しかし」や「だが」など逆接の接続詞のあとにも筆者の意見が述べられることが多いです。こうした接続詞をマークしながら読めば(マークすることによって意識化されます)、次に何が書かれているかということをある程度予測出来ます。文章の展開が予測できれば、読解がスムーズになりますからスピードもあがります。
こうした工夫は、単に文章を速く読むだけではなくて、問題を解くときに大きな効果を発揮します。マークをつけた箇所は、設問の解答であったり、その根拠となる部分である可能性がきわめて高いからです。
いずれによ、速く読むためにはただ学校や塾の授業を聴いているだけではだめで、速く読むための訓練が要るということを知っていただきたいと思います。勉強もスポーツと同じです。練習しなければ出来るようにはなりません。
2025-03-08 11:02:13
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