学校や塾の宿題以外に、ご家庭でする国語の勉強を探しておられる保護者の方々に、二、三の学習をご紹介いたします。
今回は「親子でする漢字の例文作り」です。お子さんの学年相当の熟語をつかって、親子でそれぞれ一文ずつ例文を作って見せ合います。教科書の新出漢字を参考にするとよいでしょう。はじめはノートなど用意せず、ちらしの裏などをつかって気楽に始めてみて、親子ともに続けられそうだと思ったら、それからノートを用意すればとよいかと思います。
小学校低学年は、まだ出てくる熟語も少ないし、名詞も具体物の漢字が多いので、「学ぶ・語る」などの動詞や、「早い・遠い」などの形容詞を主にします。特に動詞を使った文は助詞の使い方の勉強にもなります。
学年が上がっていくにつれて、「心配・期待」など心情を表わす熟語や、「義務・根幹」など概念を表わす熟語を増やしていきます。こうしたことばは国語辞典で意味を調べるだけでは理解しづらいからです。
ポイントは具体例を入れることです。たとえば、「お母さんがぼくのことを心配している。」という文なら、「お母さんが、ぼくがかぜをひかないか心配している。」というように、心配の内容を具体化します。ことばが難しくなってくると、子どもは具体化できなくなってきますから、親子で一緒に作ることで、大人が具体例を示して理解を助けるというわけです。
「具体化って大人でも難しそう」と思う方は、熟語の前に「~の・~という・~などの」という語をつけて考えてみてください。たとえば、「義務」なら「大人には税金を納めるという義務がある。」という具合です。
中学・高校生ともなると、なかなか一緒に勉強というわけにはいかないかもしれません。ならば、お子さんに教えてもらうというのはどうでしょう。「職場の若い子から『遺憾』ってどんな意味ですか? って聞かれたんやけど、どう説明したらええと思う?」と尋ねてみるのです。その説明に具体例があれば、「なるほど、高校が統合することによって、古くから親しまれた校名がなくなることは遺憾だ、みたいな説明をすればええんやね」などとお子さんのことばを文の形にととのえて復唱します。説明に具体例がなければ、「あんたやったら、どんなときに遺憾ってつかう?」と尋ねたり、「予算不足で給食無償化が実現しなかったのは遺憾だ、って説明で分かると思う?」などとこちらから例をあげて尋ねることで具体化することができます。
例が思いつかないときはスマホで検索をかけるという方法もあります。親子でそれぞれ検索して、見つけた例を見せ合うのも楽しいかもしれませんよ。
2025-03-15 13:35:22
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