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今年度の入試結果の詳細

今年度の入試結果の詳細

 3月18日和歌山県の県立高校の合格発表をもって、当教室に関わるすべての入試結果が出揃いました。
 当教室では、すべての合格発表が終わってから、入試結果を公表しています。合格発表ごとにホームページで公表したり、教室の窓に貼り紙をしたりすれば景気がつくとは思いますが、残念ながらすべての生徒が志望校に合格するとは限りません。ですので、「○○合格!」という華々しい公表は控えております。
 もう一つこの機会に書いておきますが、わたしは塾の合格実績というものは、なによりも本人の努力と保護者の支えと学校での指導があってこそのもので、塾はあくまでそのサポートをしているにすぎないと考えています。合格した生徒や保護者の中には「先生のお陰です」と言ってくださる方もいらっしゃいますが、週一回や二回の指導で出来ることはわずかです。それを活かす本人の努力がなければ、志望校に合格することなどあり得ません。
 
 前置きが長くなりましたが、今年度の4名の受験生の受験経緯です。ただし、不合格の生徒の経緯については紹介を控えます。塾の力不足を隠すつもりはありません。わたしは「不合格」の経緯を知ることは「合格」の経緯を知ること以上に学びがあると考えています。ですが、やはり不合格の生徒の気持ちを考えると、こういった形で取り上げることは憚られます。
 では志望校に合格した3名について、まずは和歌山高等専門学校に合格した生徒から。このKさんは中2の秋から当教室に来てくれましたが、他塾との兼ね合いもあって、途中お休みもあり、実質的な通塾期間は1年弱ほどです。
 Kさんは、語彙力は比較的しっかりしていましたが、文法や記述が苦手で、文にねじれが目立ちました。それで高専を受験する際、小論文のみの学校長推薦入試を受ける予定を変更して、体験実習入試に切り替えましたが、残念ながら不合格となりました。
 本人はもともと体験実習入試に不合格となった時点で県立高校に志望先を変えるつもりでいたようですが、わたしは学力検査入試も受験してみることを勧めました。その理由は、和高専の学力検査の国語は選択式問題だったからです。教室で過去問題を解いてもらうと、きちんとした根拠をもって選択肢を選んでいたので、可能性はあると考えていました。
 結果、国語は3問しか間違いがなかったそうで、これにはわたしも驚きました。お母様のお話だと、国語の点数が全体の点数を大きく押し上げたとのことです。
 次は、三重大学の工学部に合格したTさんです。この生徒はもともとは私立中学受験を目指して小学5年生のときに入塾しました。しかし、中学合格後も通塾し、高校3年生まで8年間弱当教室で学んでくれました。
 中学に進学してからの国語の成績はというと、中学の時は平均点くらい、高校になっても、理系志望の生徒としてはまずまずといったところで、充分には国語の成績を伸ばしてあげられなかったというのが実際のところです。ただ、どの科目も抜群に出来る生徒は別として、理系志望の生徒は概して言えば、国語、とくに古典を苦手とする生徒が多いものですが、Tさんは古文が安定していてその点が強みといえば、強みでした。
 何よりTさんの良いところは、共通テストに新たに加わった実用的文章の対策をしてほしいとか、小説が苦手なので小説の対策をしてほしいとか、自分のほうから何を勉強したいかを伝えてくるところです。
 共通テストの結果は139点。本人とは、目標は140点以上。どんなに失敗しても120点をキープということだったので、おおむね目標どおりです。ところで、入試とは不思議なもので、比較的安定して点数がとれていた評論と古文の点数が低く、逆に苦手だった小説が満点だったのは想定外でした。
 後日、教室に挨拶に来てくれたときに、国語の点数の伸びなかった中学生の頃は、この教室の学習を、「こんなことをやっていて何になるんだろう?」と思っていたそうです。高校2年生ぐらいになって、今までやって来たことの意味が理解出来るようになって、そこから積極的に学ぶ気持ちになってきたと言ってくれたことが何よりうれしかったです。
 最後に桐蔭高校に合格したAさん。この生徒は昨年の11月からの入塾で、当教室での学習は体験授業も含めて半年足らずです。入塾した時点で国語の出来ないお子さんではなく、志望とする桐蔭高校に合格するためには今のままでは不安だからというが入塾の理由でした。
 と言っても、入試までは半年もありませんでしたから、まず漢字やことわざ・慣用句などで身についていない語彙の総点検をし、文法の基本事項をおさらいし、あとは記述問題のポイントの確認をして、入試に臨んでもらいました。国語が苦手ではないけれど高得点がとれないといった場合に、解答の技術を鍛える方法と基礎固めをする方法と二つが考えられます。もちろん時間があれば両方取り組みますが、時間が限られた場合はどちらかに軸足を置かざるをえません。
 この生徒さんの場合、わたしは基礎固めに軸足を置いたほうがよいと考え、それを中心に学習しました。あとは落ち着いてミスさえなければ合格ラインには届くだろうと思いましたので、飴とチョコレートを渡して、これを入試当日の朝舐めて、リラックスして試験に臨むように伝えました。飴とチョコレートの効果はさておき、合格したのだから大きなミスはなかったのでしょう。
 
 最後に、国語学習にまつわること、入試にまつわることなど、ご家庭の参考になりそうなことをこのブログでお伝えしていきますが、限られたページでお伝えするには限界があります。詳しいお話をお聞きになりたい方は、入塾するしないに関わらず、教室にいらしてください。時間さえ空いていれば、お伝えできることは何でもお話いたします。
 

2025-03-22 12:31:58

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