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家庭での国語学習 その二

家庭での国語学習 その二

 家庭でできる国語の勉強、第二回目です。今回は「対比語遊び」をご紹介します。
 
 国語の論理の中で前回例文作りのところでご説明した「言い換え」(具体⇔抽象)とともに、「対比」の重要性を唱える指導者は数多くいます。対比とは二つを比べて違いを明らかにすることですが、比べるためには何かしらの共通点がなければなりません。たとえば、「山と川」「電車とバス」は比べられますが、「山と電車」「川とバス」は比べられません。共通点とはすなわち抽象ですから、対比の考え方を学ぶことは、具体と抽象の考え方を学ぶことにも通じます。さらに言えば、通常は比べられないものを比べて、それで多くの人が納得できたとしたら、二つの物の間に多くの人が気づかなかった共通点を発見したということになります。たとえば、詩でしばしば使われる比喩(特に隠喩)は、そういう一見誰もが気づかない(あるいは気づいていても表現しない)、二つの物の共通点の発見ということができるかと思います。
 
 さて、前置きはこれくらいにして、「対比語遊び」ですが、とても簡単です。お子さんとの会話の中で対比があると思ったら、対比語を言うだけです。
 たとえば、「焼き芋あま~い!」ということばが出てきたら、「甘いの反対は?・・・」「から~い」のように、反対のことばを口にするだけです。また、「おなか減った」には「おなか減ったの反対は?・・・」「おなかいっぱい!」のように反対語とは言えなくても対比表現になるものもOKです。
 子どもに質問するというよりも、問いかけて自分で答えるのがよいと思います。(対比のテストではなくて遊びですから)ポイントは、「多いの反対は?」のあと「・・・」ためておいて「少な~い!」と答えることです。このとき子どもが答えを言いそうなら一緒に声をそろえると遊び感が増すと思います。子どもが答えなければ、自分が答えます。答えも「広い~!」「バス~!」などとあえて伸ばして言うほうが遊びっぽいです。
 お子さんが反対語とは思えないことば、たとえば「増えるの反対は?・・・」「うれしい~」などと答えたときは、「どうして増えるの反対がうれしいだと思うの?」と尋ねてみるのもよいでしょう。単に勘違いをしている場合もあるだろうし、あるいはその子は「貯金が増えるとうれしいから」のように、対比ではなく、因果関係で二つのことばを考えているのかも知れません。
 前回は紙と鉛筆をつかっての勉強でしたが、今回は紙も鉛筆もいりません。どこでもできることばの勉強ですから、気軽に取り組んでみてはいかがでしょうか?
 

2025-04-05 10:18:59

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