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国語にはスキルが必要

国語にはスキルが必要

 このブログではたびたび話し言葉と書き言葉についてお伝えしてきました。くり返しになりますが、話し言葉が理解出来るからといって、必ずしも書き言葉が理解出来るとは限りません。話し言葉は生活の場である程度身についていきますが、書き言葉は学習の場でこそ身につくものです。言い換えれば、文章を読むとか書くとかいうことは習わないと出来るようにはならないということです。普通に文字の読み書きが出来、会話も出来るのだから、国語は学校の授業だけで充分だとは言い切れません。
 教室で多くの子どもたちと一緒に学んでいるとそのことを実感します。
 例えば、ある言葉の意味をいくつかある選択肢の中から選ぶのなら正しく選べる子どもでも、その言葉をつかって文を作るとなるとうまく書けない子どもは少なからずいます。それは文を書くということが知識ではなく、スキル(技術)であることを証明しています。
 ある文章の要約文に空欄を作っておいて、文章の中から適切な言葉を抜き出していれる問題を解いてもらうと、その子どもの基本的な読解力を知る手がかりになります。空欄が登場人物であった場合に、そこに適切な人物名を入れられない場合は、この動作主は誰か、この会話は誰のものかなど、きちんと整理しながら読めていないということです。音読がすらすら出来ても字面を読んでいるだけの場合もありますから、すらすら読める=理解出来ていると判断するのは早計です。主語・述語の知識があっても、それを実際の読みに活かせていないのです。また、指示語などもなんとなく読んでいて、その指示語が何を(どこを)指しているのか、確認しないまま読み飛ばしていることもままあります。読むという行為もまたスキルなのです。
 強調しておきたいのは、スキルというのは習っただけではだめで、出来るようになるまでくり返し練習する必要があるということです。ある一定のスキルを身につけるために要する時間は人それぞれですから、出来るようになるためにはその人に応じた時間の練習が必要です。それなのに国語力の問題を向き不向きやセンスの問題のように考えて、練習の不足に気づいていない人がまだまだ多いように思います。
 もっともそれは国語に限ったことではなく、私なども学生の時に数学が苦手だったのは、(もちろんセンスの有無はあるにしても)圧倒的に練習量が不足していのだと今なら分かります。
 国語という教科はスキルを必要とする教科です。そしてスキルを身につけるためには練習が必要です。
 

2025-05-17 12:01:00

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