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文章読解について

文章読解について

 きょうは文章読解についての私の考えをお伝えします。これまで、国語の土台となる語彙力の大切さをくり返し説いてきました。国語とはある種の技術であるということもお伝えしてきました。読解は国語の柱となる技術の一つですが、語彙力がある一定の水準に達していないと、その技術はつかえません。スポーツですぐれた技術をもっていても体力不足のためにそれが活かせないのと同じです。
 ですからきょうは、一定の語彙力が育ってきたと仮定して、読解についての私の考えをお伝えすることにいたします。
 と言っても、細かな方法は実際の文章を引用して、かなりの字数を要さないとお伝えできませんので、お伝えするのは「技術」というより「心構え」です。しかし、「心構え」もまた体力と同じく技術と深く関わるものですから、それを知ることはけっして無駄ではないと思います。
 そもそも文章とは、人に何かを伝えるためのものです。日記やメモのように備忘録であったり、自分の考えを整理したりするために文章を書くということもありますが、文章の多くは誰かしらに向けて書かれたものです。と言うことは、文章を書く人は、何か伝えたいことがあるし、それが伝わってほしいわけです。
 だから書き手は、伝えたいことが伝わるようにいろいろと考え、工夫をします。何を、どんな順番で伝えればいいだろうとか、どんな根拠が説得力をもつだろうとか、どんな例をあげれば解りやすいだろうとか、あるいはどんな表現がより印象に残るだろうとか、良い文章であればあるほど細かなところまで工夫が行き届いているわけです。
 文章読解とは、その工夫を読み解く行為です。ですから、読解をする私たちは、その工夫を理解しないといけません。そのための方法として私がお勧めしたいのが、読んでいる自分に自分で問いかけ、その問いに自分で答えるという方法です。
 たとえば、上記の「読んでいる自分に自分問いかけ、その問いに自分で答えること」という箇所を読んだ人は、「それってどういうこと?」と思いますよね。その「どういうことって?」というのが問うこと、いまこの「たとえば」の段落を読んで、「ああ、こういうことか」と思うのが答えることです。読みながらこの自問自答を意識的に行います。
 「なぜ?」とか「だからか」とか「そういうことか」とか「これが言いたかったのか」とか、自ら問いを発し、自ら文章の中にその答えを見出す心構えで文章を読んでみましょう。言い換えればそれは、「主体的に文章を読む」ということです。
 テストのときだけそれをしようと思ってもなかなかできるものではありません。主体的な読みを積み重ねることによって、だんだんとそれができるようになっていくのです。どんな分野であれ、技術を身につけるにはそれしかないと私は考えています。
 

2025-06-21 12:26:14

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