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読解問題に「想像」は禁物

読解問題に「想像」は禁物

 文章読解の際の心構えについてあと一つ伝えておきます。それは「何が書いてあるかだけに意識を集中する」ということです。
 そんなの当り前じゃないかと思う方もいらっしゃるでしょうが、これは意外とむずかしいことなんですよ。人というのは文章を読んでいると、無意識にあれこれと考えてしまうものなのです。その考えというのが、二回前のブログに書いたように「どういうこと?」「ああ、こういうことか!」というように文章の内容に関する自分との対話なら問題はありません。これは「考えてしまう」ではなく「意識的に考える」です。そうではなく、「考えてしまう」とは余計な想像をしてしまう。言い換えれば脱線してしまうということです。
 読解問題の最初には何と書かれているでしょうか? 「次の文章を読んで、あとの問いに答えよ」と書かれていますね。これ、とても大切なメッセージなのです。読解問題というのは、あくまで「次の文章には何が書かれているか」を問うているということなのです。
 例えば、仮に「本当の豊かさとは何か」というような文章が出題されたとします。そして、「作者の考えに合致するものを次の選択肢の中から一つ選べ」というような設問があったとします。この手の選択肢の中によくあるのが、本文には書かれていないけれども主張していることそのものは正しいというような選択肢です。たとえば、「経済的に豊かであることが豊かであることではない」といったものです。こういうときに、「考えてしまう=想像してしまう」子どもは、豊かさについて書いているこの作者ならこういうことを「考えそうだ」と想像してこの答えを正解として選んでしまうことが少なくありません。けれども、問題文の中にそう書かれていない限り、これは正解とはなりません。意識すべきは「選択肢の文が正しいかどうか」ではなく、「問題文の中にはどう書かれているか」なのです。
 ただし、ここに一つのハードルがあります。正解の選択肢の多くは本文の内容をそのまま抜き出した形にはなっていません。本文の表現の一部が別の同等表現に言い換えられています。これを見抜ける力がないと問題文に書いてあることが読めていても、選択肢を選ぶ段階で判断を誤ります。だから、的確な解答をするためには、一定の語彙力が必要です。
 最後に「余計な想像はNG」だと書きましたが、「想像」が必要な場合もあります。特に文学的文章の心情を問う問題などは、直接心情が書かれていない箇所の登場人物の心情が問われることがほとんどですから、会話やしぐさなどからそれを想像する必要があります。けれども、この場合も書かれていることから読み取れる範囲を超えないように意識することが大切です。くり返しますが、大切なのは《余計な》想像をしないことです。
 

2025-07-05 12:09:04

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