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難しいことに触れさす

難しいことに触れさす

 当教室の小学生クラスで、学習の軸の一つと考えているのが書写です。(正確には視写と呼ぶべきかもしれませんが、書写ということばを使っておきます。)その際の教材ですが、低学年でも原文は変えずに漢字にふりがなをふったプリントを用意してそれを書き写すようにしています。習っていない漢字もかなりたくさんあるので、書き写すのに苦労する生徒もいますが、これまで指導してきた経験からすれば、写すだけであれば低学年の生徒でもかなり画数の多い漢字でも写せるようになります。
 一般に低学年の子どもや学習の苦手な子どもには、やさしいことから始めて、だんだんと難しいことへスモールステップで取り組んでいくという学習方法が取り入れられることが多いようですが、私は逆に低学年のうちから難しいことをぶつけておいたほうがいいという考えです。特に漢字に関しては、低学年のうちからまだ習わない漢字もふりがなをつけて読ませるようにしたほうがいいと考えています。実際に読めるようになったり、書けるようになったりするのは先でもいいけれど、「出会う」のは早いほうがいいというが私の考えです。
 小学2・3年生でつかう俳句の音読教材には口語俳句だけでなく文語の俳句も載せていますし、小学4・5年生では百人一首から三十六首を抜粋した音読教材と論語の音読教材、小学6年生では漢詩の音読教材をつかっています。いずれも内容を理解するのはまだ難しい生徒が多いと思いますが、早い段階で文語や漢詩などに触れておけば、中学になってこれらに触れたときの心理的ハードルが下がると考えています。
 語彙に関してもそうで、その語彙を理解して使えるかどうかは別としても、早い段階から聞き慣れない語彙にも触れておくことが大切だと思うのです。難しいことばというのは、あえてそこに踏み込んで知ろうとしない限り知ることがありません。例えば、「晦渋」などということばは、かなり読書量の多い生徒でも普段の読書の中でなかなか出会う機会はないでしょう。まして本を読まない子どもなら、難しい漢字、難しいことば、難しい表現、あるいは文語などにはまず出会う機会がありません。そんな子どもたちが中学生や高校生になり、見たことも聞いたこともないようなことばに面食らうのは当然です。
 もちろん一回や二回出会ったくらいで、そのことばが読めるようになったり、書けるようになったり、あるいは意味が分かったりするわけではないでしょう。でも、世の中にはこんな難しい漢字が、こんな難しいことばが存在するのだという認識だけは持てます。
 学びにはその認識が大切だと思うのです。分かる喜び、達成感を味わうことはもちろん学びへの大きなモチベーションとなるでしょう。一方で、難しいこと、分からないことに出会っても動じないこころを育てていくことも必要だと思います。子どもが勉強嫌いになることを恐れて、やさしいことだけを学ばせようとせずに、時には難しいことにも触れさせることも大切なのではないでしょうか。
 

2025-07-19 14:44:43

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