8月1日の朝日新聞に「子の学力 大幅に低下」という記事が掲載されています。3年ごとに実施している国の「経年変化分析調査」の結果が前回より大幅に下がっているという内容ですが、私が気になったのは、保護者への質問調査で「子どもが良い成績をとることにこだわらない」という保護者が増えているという点です。
子どもの成績にこだわらない保護者が増えているのはある意味良いことだと思います。学歴で人生が決まるようにいう人もいますが、私自身は必ずしもテストの点数だけで人生が決まるものではないという考えですから、子どもの成績の良し悪しは大らかに考えてよいのではないかという立場です。
しかし一方で、成績にはこだわらなくてもいいけれど、学力にはこだわるべきではないかとも思うのです。いま、妙なことを言うなと思われた方もいらっしゃるかもしれません。成績と学力、同じではないかと・・・。
この点については、私は明確に「テストの点数=成績=学力」ではないと考える立場です。もちろん成績は、学力を測る一つの目安ではあります。けれどもそれは学力を示す部分的な指標であって、学力全体を表わすものではありません。例えば、最近問題発言をして話題になった国会議員、立派な大学を出ておられますが、ああいう発言をする人に「学力がある」と言えるのでしょうか。もっとも「学力はあるけれど、配慮に欠けるのだ」という言い方も出来るかもしれませんが、仮に配慮に欠けていたとしても、あの時期にああいう発言をすればどういう反響がおこり、どんな影響を与えるかということは想像出来たはずです。その想像が出来ない人を「学力のある人」と言えるのでしょうか。
いつまでも子どものままでいられませんから、どういう生き方がしたいのか、何を生業(なりわい)として生きていくのか、考えなければなりません。また、社会で生きていくためには、どういう心掛けが必要か、どういう言動をするべきでないのかも考えられる力が必要です。そのような力も含めて「学力」と呼ぶなら、必ずしも「成績=学力」ではないし、学校の成績がよくなくても、社会で成功し、充実した人生をおくっている人は少なからずいて、そういう人こそ「学力の高い人」と呼ぶべきだと思います。
だから親御さんは、子どもの成績にはこだわらなくてもいいけれど、子どもの学力にはこだわるべきではないでしょうか? テストの点数に一喜一憂する必要はありませんが、わが子が将来大人として一人立ち出来るような道筋は考えておく必要があるのだと思います。「こだわらない」というのは「考えない」こととは違います。
保護者調査の結果が、「こだわらない」保護者が増えているのではなくて、「考えない」保護者が増えているのだとしたら、やはり文部科学省の担当者が言うように「大きな問題」だと思います。
2025-08-02 12:50:08
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