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「わかった」はゴールではない

「わかった」はゴールではない

 以前からこのブログを読んでいただいている方には、また同じことの繰り返しかと思われるかもしれませんが、大切なことだと思うので再びお伝えさせていただきます。それは反復学習の重要性です。
 これも同じことの繰り返しになりますが、私は勉強もスポーツも上達への道は基本的に同じだと考えています。それは、「理解する」→「反復する」→「身につける」という手順をたどることです。例えばバスケットボールのシュートなら、こう構えて、こう膝を使って、手首をこう返してなどという基本動作をまず理解し、それを何百回(いや何千回かもしれませんが)も繰り返し練習して、やっと一定以上の確率で成功するようになるわけですね。勉強も同じで、頭で理解して、繰り返しノートを見直したり、練習問題を解いたりして、やっと試験のときに答えられるようになるわけです。頭で理解して「ああ解った」で終わりではありません。   
 ところが、スポーツではみんな繰り返し出来るようになるまで練習するのに、勉強では繰り返し練習する人はきわめて少ないのです。一つには、スポーツの動作というのは種類があるといっても数が限られていますが、勉強で学ぶことは種類も多く、一つのことを繰り返し反復する時間をとれないということがあるかと思います。それでも試験で頻出するような内容というのはあるわけで、仮にそれだけでも反復しておけば好結果につながる可能性が高いわけです。ですが、そういう頻出事項でさえ、実際にはなかなか身についていない生徒が多いのです。
 例えば、文語に「完了・存続」の意味を表す「り」という助動詞があります。この助動詞はとても特殊な接続をする助動詞で「四段活用」動詞の「已然形(命令形という説もあり)」にくっつきます。数ある助動詞の中で已然形に接続するのはこれだけなので、試験に頻出する助動詞です。けれども、文中にこの助動詞が出てきたときにぱっと「完了・存続の助動詞『り』」だと判断できる生徒は意外に少ないのです。私の教室の授業では3度か4度は念押ししているのに、それでも大半の生徒が気づかないということも少なくありません。助動詞一つとってもこれですから、他の重要事項についても推して知るべしです。
 いずれにせよ、勉強もスポーツと同じように「解った」がゴールではないということを意識しておきましょう。停滞を打開するためには意識の改革が必要です。なかなか成績が上がらないと悩んでいる人は、自分の練習不足をまず疑ってみましょう。そして練習不足を実感したときは、迷わず練習をしましょう。例えば、大切だと思うことはもう一冊別にノートを用意して、授業のノートからその部分だけを書き写してみてはどうでしょうか? 次々新しいことを学ばなければならない中で、すでに習ったことを反復練習する時間を作るのは大変です。でも、毎日10分・15分ぐらいの時間を割くだけでも、練習できることはたくさんあります。電車の待ち時間、朝目覚めて朝食を食べるまでの時間、寝る前の時間などちょっとした隙間時間を利用して反復学習の時間を作りましょう。その10分の積み重ねが3ヶ月後、半年後にはきっと大きな成果となって現れます。本当ですよ。

2025-10-11 11:58:23

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