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国語は体力

国語は体力

 私は、学力をつけるのも体力をつけるのも、過程は同じだと考えています。例えば、筋力をアップさせたいと考えれば筋肉に一定の負荷をかけ続ける必要があります。二、三日集中的にハードなトレーニングをしたところで筋肉痛になりこそすれ筋力はつかないでしょう。学力もまったく同じだと思います。脳に一定の負荷をかけ続け、それを一定の期間継続するからこそ学力がつくわけです。ところが、筋トレならすんなり飲み込めるこのことが、学習となるとなかなか飲み込めない人がいるようです。なにかコツのようなものがあって、それを身につけさえすれば勉強ができるようになると考えている人がいるように思います。もちろんコツのようなものがまったくないわけではありません。国語でいえば、読み方や考え方、解答のしかたというものはあります。しかし、それはあくまでそれをできる基本的な国語力が備わっていてこそのものです。これまで私が指導してきた生徒を見る限り、国語ができないという生徒の大半は基本的な国語力が不足しています。いわば体力不足なのです。体力不足の人間にテクニックを教えても実際に使いこなすことはまずできません。だから、まずは体力づくりが肝心です。
 しかし、これにも勘違いがあって、国語がそこそこできる生徒(定期試験でいうと50~60点ぐらいとれている人は)体力不足の自覚がありません。だから、現状の体力のままで技術(解法)だけを身につけて高校入試や大学入試に挑もうとするのですが、これは私に言わせれば高校野球の選手がプロ野球の試合に出るようなものです。プロの選手と高校野球の選手で何が違うか? 技術のほうに目を向ける人もいるかも知れませんが、圧倒的に違うのは体力だと思います。プロで必要とされる高度な技術を支えるだけ体力があるからこそ、技術が駆使できるのです。試験のレベルがあがれば、それに必要とされる体力も当然レベルアップする必要があるわけですから、体力が不足しているまま試験を受けてもうまくいかないのは当り前のことです。それに気づかずに模擬試験などを受け続けて結果が出ず、いよいよ切羽詰まってから塾に通ってなんとかしようとする。正直それでは遅いのです。
 こう書くと、「じゃあ、受験の前になって国語の勉強をしても無駄じゃん」と思う人が出てきます。そうではなくて、「何かコツのようなものをつかみさえすればできるようになるという考えは捨ててくださいよ」と申し上げたいのです。もちろん体力をつけるにははじめに書いたように一定の期間は必要です。それに体力をつけたらそれで終わりではなく、体力をつけてから今度は技術を身につけなければなりませんが、これにだって一定の期間が必要です。だから、始動は早いほうがいいのです。(塾へ通わなくても自分で毎日漢字の問題集を解く等準備はできるはずです。)
 私は常々疑問に思うのですが、スポーツならすんなり納得できることが学習になると納得できないのはなぜでしょうか? 例えば、野球やサッカーで1年生でレギュラーになれる子もいれば、3年生で補欠の子もいます。ですが、「うちの子は3年生どころか、1年生の野球力もない・・・」と嘆く親御さんに出会ったことがありません。むしろ「3年間補欠だったけれど、部活を辞めないでよく頑張った」と評価する親御さんが多いのではないでしょうか。でも、学習では、なぜか「人並み」や「人並み以上」を求めている親御さんが多くなるように感じます。「うちの子は1年生ぐらいの実力しかないのに、学校を辞めないで3年間よく頑張った」なんて親御さんにはあまり会ったことがありません。それはスポーツは持って生まれた才能によるが、学習はそうではなく努力次第でなんとかなるものだと考えているからでしょうか? それともスポーツの出来不出来は人生を左右しないが、学習の出来不出来は人生を左右すると考えているからでしょうか? けれども、部活ならよく頑張ったで、学習なら「頑張って当り前」は不公平ではありませんか? とくに毎日の家事をされているお母様がたには「やって当り前」がどれほど大変なことかよくお分かりになるのではないでしょうか? と言いつつ、私もときどき塾生の愚痴などこぼし、小学校の教員をしていた父から、「毎週塾に来るだけでも大したもんではないか」とたしなめられることがありますが(笑)。世の中には「受験が人生を左右する」のように言う人がいますが、12や15や18で決まるほど、人生って薄っぺらいものなのでしょうか? それならば50年も60年も生きることはむなしいことだと思いますが・・・。
 閑話休題、受験を目指す皆さんは今から体力づくりをしていきましょう。小学生の皆さんは学校で習う漢字などは毎日しっかりとおさらいして読み書きできるようにしておきましょう。中高生の皆さんも、クラブ活動を引退してから頑張ろうなどと考えず、今日から毎日少しでいいので取り組み始めましょう。「二兎を追う者は一兎をも得ず」というではありませんか。クラブ活動でも成果をあげ、しかも志望校にも合格しようなどと虫の良いことを考えてもいいけれど(笑)、それならば二兎を追うだけの時間と労力をかけましょう。物事には短期間に集中的に取り組んだほうがよいことと、長期間少しずつ取り組んだほうがよいことがあります。私は国語というものは、酒や味噌の醸造のようなものだと考えています。早くから仕込んでじっくりと寝かさないと本当の熟成は得られないものなのです。念のため、再度くり返しますが、それは塾に通えということではけっしてありません。毎日漢字の問題を10題ずつ解くだけでも、新聞のコラム欄の要約を書くことでも(いえ、コラム欄を読むだけでも)体力はアップするのです。その状態で、模擬試験などを受けて自分の現状の力をはかり、そのうえで学校の先生に指導をお願いするのか、自分で勉強するのか、塾や予備校などに通うのかを判断すべきです。ある程度の体力をつけていない状態では、自分の技術(問題を解く力)がどの程度備わっているのかを的確に判断することもできません。
 今日から国語の勉強をしてくれる生徒の皆さんが増えますように・・・。では、今回はこれまでといたします。
 

2016-05-23 16:23:00

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