国語塾いはら教室

国語で伸びる、ことばで育つ

HOME»  ブログ記事一覧»  小論文について(1)

小論文について(1)

小論文について(1)

 今回は小論文について書かせていただきます。当教室でもこれまで何十名かの小論文の指導をしてきました。それらの体験から皆さまの参考になると思われることを何回かに分けてお伝えいたします。
 まず一口に「小論文」といっても、その内容は多種多様です。大学によっては、科目名は「小論文」となっていても、実際の試験問題は、文章の要約であったり、字数の多い記述問題であったりすることもあります。論文形式の試験問題も、文章を読んでそれに対する意見を書く形式、図やグラフを読み取って意見を書く形式、文章と図・グラフの両方を読んで意見を書く形式、文章の要約と意見の両方を書く形式、テーマ(題名)だけが与えられて意見を書く形式などさまざまで、大学や専門学校によって出題形式が違いますし、同じ大学でも学部によって出題形式が違うこともあります。
 さて、上記の小論文の形式の説明で「意見を書く」という部分が共通していることにお気づきになられたでしょうか? そうです。小論文は意見文の一種です。では、「意見文」と「小論文」はどう違うのでしょうか? それに答える前に、まず「作文」「感想文」「意見文」の違いについてお話します。
 作文というのは、文章全般を指します。ですから、感想文も意見文も小論文も作文ですし、小説や随筆や広い意味では詩や短歌、俳句も作文だという人もいます。いまは少し変わってきているかも知れませんが、私たちの世代(60代)が小学校で書かされたのは、学校行事の感想とか、読書感想文とか、ほとんどが感想文でした。では、感想文と意見文は何が違うか?
 それは、感想文のテーマには問題がないこともあるし、問題があったとしても意見を書かなくてもいいが、意見文には必ず問題があり、その問題に対して肯定・否定(賛成・反対)や解決策などを書かなければならないということです。例えば、感想文では「スマートフォンの使用時間を制限すべきか」という問題に対して、「それはそれぞれの家庭で決めればいいと思う」と書いてもいいけれど、意見文では「制限すべき」「制限すべきでない」のどちらかで書かなければなりません。
 ここでさきほどの意見文と小論文の違いについて説明しましょう。自分の意見とその理由や根拠を述べる点では両者はほぼ同じです。ただ、その理由・根拠に多くの人が納得する客観性が求められるという点が(それは意見文でも本来そうあるべきですが)、意見文と小論文の違いです。そのためには、個人的な体験や考えだけでなく、自分の理由や根拠を支える事実やデータ、あるいはその問題に対して他者がどう論じているかなどの知識が必要です。自分の意見・その理由や根拠・それを支える事実やデータなどを一貫した筋道で書いたもの、それが小論文ということになります。
 もっともこれだけでは、抽象的すぎてまだ小論文がどんなものかイメージしにくいですね。次週はさらに具体的に、感想文・意見文・小論文の違いについて述べていくことにします。

2025-11-08 11:06:21

  |  コメント(0)

 

コメント

お名前
URL
コメント