前回に続き、小論文についてです。前回、感想文・意見文・小論文の違いについておおまかに説明しました。今回は、具体例をあげながらその違いを見ていくことにします。
テーマは「スマートフォン」としてみましょう。まず、スマートフォンというテーマを与えられて、次のような文章を書いたとしたら、それは感想文ということになります。
スマートフォンは現代社会にはなくてはならない機器だ。これ一つあれば、電話も
メールも利用でき、そのうえユーチューブなどの動画も見られる。こんな便利な物が
ある時代に生まれた私は幸せだ。
一見、スマートフォンは現代社会になくてはならない機器だ、という一文で意見を述べているようにも読み取れますが、その理由が便利だというだけではっきりしませんし、「幸せだ」というのは個人の感じ方ですから、これは意見文とはいえません。
では、次は意見文です。
最近、スマートフォンの使用時間を規制する条例案を決議した市がある。私はこの
条例案に賛成だ。なぜなら、スマートフォンの使用によるさまざまな問題が起きてきて
いるからだ。たとえば、スマートフォンの見過ぎによる視力低下や姿勢の悪化、睡眠障
害などが指摘されている。こうした弊害はまだまだ社会に認知されているとは言い難い。
それを広く社会に知らしめる意味でも条例案が提出されたことには意味がある。
この文章では、スマートフォンの使用時間の規制条例案に賛成だという意見がはっきりと述べられ、その理由とさらにそれを具体化した説明が付け加えられています。意見文とは、このように自分の意見とその理由・根拠が明確に示されている文章を指します。
最後に小論文の例をあげてみます。
スマートフォンの使用時間の規制の条例案に賛成する。なぜなら、スマートフォンの
長時間の使用は視力低下などの健康被害や学力低下などをもたらしているからだ。
たとえば、文部科学省の調査では、小中学生の視力低下が過去最悪となっており、
その原因としてタブレットやスマートフォンの利用増加をあげている。また、国の「経
年変化分析調査」では、前回よりも成績が下がった原因の一つとして、スマートフォ
ンの利用時間の増加によって家庭での学習時間が減ったことをあげている。こうし
た事実をふまえると、スマートフォンの使用時間を削減する何らかの対策は必要で
ある。もちろん、それにはさまざまな方法があろうが、条例による規制も有効な方策
の一つであると考える。
二つ目の意見文に対して、三つ目の小論文では文部科学省や国の調査結果を根拠として提示しています。意見文が「意見とその理由を述べる」ことを求められるのに対して、小論文はさらに「その理由の根拠を論ずる=筋道立てて説明する」ことを求められているわけです。
では、そのためにはどうすればいいのでしょうか? それはまた次回に述べることにいたします。
2025-11-15 13:32:17
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