『読解問題を解くとは?』の第二回目です。今回は「読解問題の文章」と「通常の文章」の違いについて見ていきましょう。
まず意識してほしいことは、「読解問題の文章」は、「全体の一部分を切り取った」文章であるという点です。例えば、小説問題なら山場の場面の文章だけが切り取られているといった具合です。通常の読書なら、読み進めていくうちに小説の舞台や登場人物についての情報を順次頭に入れていって、そこから山場の部分を読むことになります。それに対して読解問題では、それまでのあらすじや登場人物についての簡潔な説明(前書き)があって、いきなり山場の文章を読むことになります。それぞれの登場人物の関係や状況は前書きかあるいは本文のあとに加えられている補足(注)から把握する以外に方法がありません。「切り取られた文章」を読み解く難しさはそこにあります。
しかし試験を作成した人は、その切り取られた部分+前書き+注を読めば、設問に答えられると判断しているわけです。逆にいえば、作問者は、「前書き」や「注」を補足しないと問題が解ききれないと考えているということにもなります。なのに、この前書きや注を「付け足し」ぐらいに考えて、丁寧に読めていない生徒たちも多いのです。前書きや注の情報がなければ解けない問題を、本文だけ読んで解こうとするわけですから、正しく読み解けないのは当り前です。
説明的文章では、文学的文章ほど前書きや注は多くありませんが(前書きについてはほとんどありません)、文章が切り取られているという点は同じです。もちろんこの場合も、その部分だけを読めば設問に答えられるように問題が作られていることに変わりはありません。(とはいえ前提となる知識は必要ですよ。漢字が読めなかったり、ことばの意味が分からなかったり、常識的なことを知らなければ、問題文を理解することも設問に答えることもできません)
これもまた「読書」と「読解問題を解く」こととの大きな違いです。「読解問題の本文を読む」ということは、「切り取られた文章」を読むということなのです。
くり返しますが、「切り取られた文章」を読み解くためには、前書き、本文、注、設問のすべてを手がかりとして、本文を読み解いていかねばなりません。しかも、通常の読書ならば、時間をかけて読み進めていくうちに自然と頭に刷り込まれる情報を、読解問題では短い時間で着実に頭に刷り込む必要があります。そうしなければ試験時間内に問題を解ききれません。そのためには、本文や設問のポイントにマークをつけて(線を引く・囲む等して)、必要な要素をしっかりと頭に刷り込むことが大切です。評論文ならば、筆者の主張、根拠、具体例など、小説なら出来事、登場人物の心情、反応など、設問とかかわりそうな部分にはもれなくチェックを入れていきます。設問にも、それが説明問題なのか(「どういうことか?」という問い)、理由問題なのか(「なぜか?」という問い)といったところにマークをつけ、さらに解答の指示が「抜き出せ」なのか「文中のことばをつかって答えよ」なのかといったところ、字数(~字なのか、~字以内なのか等)を囲みます。「意識的に読む」とはこういうことです。
今回も第一回目と同じ締めくくりになりますが、漠然と文章を読んだのでは、読解問題は解けるようにはなりません。「意識的に読む」ために、文章や設問のポイントにマークをつけながら読むことを習慣づけてください。
2025-12-27 13:20:23
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